前回の動画、削除されてましたね。
アップしちゃいけないものだったみたいですね。すいません。
というわけで、今回はリニアワークフローが生み出す世界についてです。
今、ちまたで話題のリニアワークフロー、いろんなところでとりあげられてます。
AUTODESK 第1回:リニアワークフローについて<その1>
memlog リニア空間と物理的に正しいライティング
しかし、肝心の目的、メリットがよくわからないなあという方、多いと思います。
僕がそうでした。
「テクスチャーかきづらくなるし、なんかメリットがよくわかんないなあ。なんで、だれがこんなこといいだしたんだろ?」と思ってました。
しかし、いろんな人の話をきくうちにわかってきたのです。
これは黒がつぶれないからリニアワークフロー、っていいよねとかそういう次元の話ではないのです。
(ここでは僕のような世間知らずでもわかるように、わかりやすいメリットを説明してくださっているんだと思います。)
たしかに情報が多いからコンポしたときにつぶれてない情報を拾えてやりやすいとか、そういうメリットもたくさんあります。
しかし、リニアワークフローの目指す世界とは、「だれでも」「一定の手順を踏めば」「ある程度のクオリティ」をだすことができる世界なのです。
ここでいう「だれでも」は、「ソフトが触れる人」という意味です。
「ある程度」は「実写となじむ」ぐらいのクオリティです。
この「一定の手順」こそが「リニアワークフロー」で、これはいったん手順がきまれば、どんどんどんどん自動化されていきます。
そして、その結果、「だれでも」が「ミドルクラスアーティスト」から「ジュニアアーティスト」へ、さらに「専門学校卒業したての人」「そこらへんのおばちゃん」へとどんどんハードルがさがっていくのです。
もちろん、そこらへんのおばちゃんができるようにはすぐにはならないでしょうが、たどり着く先は間違いなくそこです。
この「一定の手順」をどのくらい簡素に、シンプルに、(つまり自動化しやすく)、さらにはある程度のクオリティがだせる状態にもっていける手順にするか、こそが各スタジオのノウハウになります。
そしてそのなじむ状態になってからが、アーティストの出番です。
そこから、「いいライティング」の作業に入るのです。
実写のライティングといっしょですね。
なじむのは「当然」そっからさき、雰囲気、シズル感、カットの意味のためのライティング。
そこからがアーティストの仕事になるわけです。
つまりライティングアーティストのトップに求められるのは、照明さんと同じく、いろんな人を指揮してたくさんのカットをライティングしていく能力です。
これはライティングに限りません。
工場型では、各部門のトップには現場を仕切る能力が必要になってきます。
逆に言うとそれができない人は一作業員になるわけです。
(とはいえ、そういうベテランの人も必要ですよ。工場にもいますよね。あの作業は何々さんしかできない!みたいな人が)
シェーディング部門もアニメーション部門も、モデリング部門もそれぞれ同じことです。
しかしリニアワークフローほどの決定打は他の部門にはまだ存在しないのが実情でしょう。
モーションキャプチャーもその一環ですし、アセット管理もその一環です。
しかし、じゃあこの流れに抵抗すればいいかというとそういうわけにはいきません。
技術の流れは押しとどめられないし、自分のところがやらなければ他の会社がやっていずれつぶされるだけです。
われわれいちアニメーターにできることは、その流れに押し流されるか、うまくのっていくかです。
よくとらえれば、ライティング部門は、クリエイティブな作業だけに集中できる時代がいち早く訪れる!めんどうなことやらなくてすむ!やったぜ!ということなのですから。
そうです!これからはこの「クリエイティブ力」と「仕切り力」がためされる時代になるのです!
アニメーションでいえば、
「きれいなカーブ」から「いい演技」「素敵なアクション」「アイデア」とそれを伝える力が必要なわけです。
というわけで、これを磨けばだいじょうぶ!!やったね!工場型!
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