2020年6月19日金曜日

絵本の完成までの道のり2 絵編


前回までのお話。

2週間に一回打ち合わせのたびに新しいものをもっていき、文章と下絵が形になったのが6月。

ようやく下絵ができあがり、僕の出番は終わったと思っていたのですが
そこから僕の次の地獄がはじまったのです。

今度は本番の絵が進まず、いやもう遅々として進まないわけですよ。
うちは絵は永野が担当しておりまして、ここから先は永野の領域で隣で待つしかないのですが、これがもう進まない。

一日が終わるとちょっと声をかけてみるのですよ。
「どう?すすんだ?」
「うーん、進まない」

あんまり声をかけると機嫌が悪くなるので、
ちょっと経ってから声をかけるのですよ。
「どう?すすんだ?」
「うーん、進まない」

そして私は編集長に伝えるのです。
「うーん、ちょっと進まないみたいですね」
はじめはふんわりとしていたスケジュールも
発売日がどんどん迫ってくるにしたがって、いろんなことが具体的になってきます。
発売日がそうなら、印刷する時間や書店に発送する時間もいるし、印刷具合も何度か刷ってみてみてみたいし、そのまえに営業さんにみせないといけないし。。。

もうね、板挟みですね!

そしたら突然、永野は水彩画の教室に通いだすのですよ。

「やっぱり、アナログで書くべきなのではないか」

とかいいだすんですよ。
ちょっと待てと、いやちょっと待てと。
あなた今までタブレットでしか書いてないでしょと、
なんなら仕上げはアフターエフェクト(動画作成ソフト)でやってたでしょ、と。
それを編集長に見せて、「これでいきましょう」となったでしょ、と!
なんなら編集長も「かわいいーこれでいきましょう」とメロメロになったでしょうと。

それをいっても永野は
「そんなこといってたっけ」
とかいいだすんですよ!
それで私はですね。よくよくヒアリングをですね。
してみたんですよ。
永野の言い分はつまりこうでした。

「今回の絵本はサイズが大きい。
家のタブレットだと小さくて、実際のサイズで書かないとわからない。
だからアナログでかくしかないんじゃないか」と。


そこで私はいいましたよ。
「なるほど、ビックカメラにいこう」
その足でビックカメラに向かい、店員を見つけてこういってやりましたよ。
「この店で一番でかい液晶タブレットはありますか?」
その場でバカでかい液タブ30万をバーンッと購入(分割)ですよ。
「これなら実際のサイズでかける!これでかいてください!」


しかもその間も絵本の文章は
編集会議、校正のプロとステップがあがるにつれて
文章を極限まで修正し続けます。

このおかげで物語の作り方を掴んできた気がします。
どこかでやらないといけない修行だったのだと自分に言い聞かせております。

そんなこんなでできあがった絵本です。
こんな時代ですが、子供たち(あと僕のようなはぐれた大人)を楽しませたいと思って作った本です。
どうかお手に取ってくださいませ。